パラスポーツスタートガイド

車いすバスケットボール体験記 車いすバスケットボール体験記

パラリンピックの花形スポーツ!
車いすのスピード感、ゲームの楽しさを体験

パラリンピック競技の中でもトップクラスの人気を誇るのが車いすバスケットボールです。障害の重さによって持ち点制が採用されており、障害の程度にかかわらず、出場機会を得られるのが特徴です。そんな車いすバスケットボールの体験会が2月10日、東京都パラスポーツトレーニングセンターで行われたので、実際に体験させてもらいました。

特徴は障害によるクラス分け制度
競技用車いすのスピード感!

車いすバスケットボールは、脊髄損傷や切断など下肢に主な障害がある選手を対象としたスポーツで、回転性や俊敏性が高い、専用の車いすに乗ってプレーをします。ボールの大きさやコートのサイズ、ゴールの高さや出場人数などは、一般のバスケットボールと同じです。

競技の最大の特徴は、クラス分け制度です。選手は各々障害の重さによって持ち点が決められています。障害の重い順に1.0点~4.5点まで0.5点刻みで8段階に分かれています。コート上の5人の持ち点の合計は14点以内と定められていて、選手交代に制限はないため、障害の程度が違ってもそれぞれに活躍のチャンスがあります。

専用の車いすは日常生活用とは異なり、タイヤがハの字に取りつけられているため、スピードが出やすく、素早いターンが可能。車いすのスピード感は車いすバスケットボールの大きな魅力です。また、車体の強度を上げて、足を保護するためのバンパーがあったり、転倒防止用のリアキャスターがついていたりするのも特徴です。車いすのスピード感と操作テクニックが魅力で、パラリンピック競技の中でも非常に高い人気を持つスポーツです。

車いすの操作、ドリブル、シュート
体験することで選手のすごさを実感

2月10日の体験会では、障害のある方だけでなく、障害のない方も参加していて、20名を超える参加者が集まりました。

車いすバスケットボール体験会

講師は東京都車いすバスケットボール連盟から橘貴啓さんをはじめ、4名の講師陣の指導のもと、まずは車いすを実際に操作する練習からスタートします。

車いす操作1
車いす操作2

左右両方のタイヤを均等に前方に回転させることで真っすぐ前に進みます。左右差があると曲がってしまいます。走行中に曲がりたい方向のタイヤを止めると、ターンすることができます。

車いすの操作を覚えたところで、レクリエーションを取り入れながら、さらに車いす操作を学んでいきます。鬼にタッチされた人が鬼になる、“増やし鬼ごっこ”を車いすで行いました。どんどん鬼が増えていくので、うまく逃げるためには素早い車いす操作、細かいターンが必要になります。

増やし鬼ごっこ

続いては車いすバスケットボールの特徴の一つでもあるドリブルの練習です。車いすバスケットボールでは、ボールを保持した状態で3回以上プッシュする(タイヤを漕ぐ)とトラベリングの反則になります。2回プッシュしたら一度ドリブルをする、またはパスをしなければいけません。一方でダブルドリブルの反則はないため、一度ドリブルをすれば、再びボールを保持することができます。

ドリブルの練習1
ドリブルの練習2

車いすを操作しながらのドリブルはなかなか難しく、体験してみると、選手たちのすごさをより実感することができました。

ドリブルに続いては講師の方からのパスを受けてのシュート練習です。車いすからのシュートになるため、ゴールがすごく高く感じます。

シュート練習2

大人も子どもも男性も女性も
みんなが一緒に楽しめるゲーム

体験会の最大のお楽しみは、参加者が4チームに分かれてのゲーム体験です。各チームに講師が一人ずつ入り、5分間のゲームを2試合ずつ行いました。みんなが初心者なのでなかなかシュートは入りませんが、それでも楽しくプレーすることができました。

ゲーム体験1
ゲーム体験2

親子で参加した石多絵理子さんと柚葉さん(小学5年生)も「楽しかった」と口を揃えていました。
「小中学校時代にバスケットボールをやっていたのですが、車いすに乗りながらやるのは想像以上に難しかったです。でも、車いすがぶつかるのも楽しいですし、大人も子どもも男性も女性も一緒にできるのが楽しいと思いました」(絵理子さん)
「ボールを持って車いすを漕ぐのが楽しかったです。またやりたいなと思いました」(柚葉さん)

ゲーム体験3
ゲーム体験4

車いすバスケットボールの天皇杯を観戦したという高校2年生の三浦歩さんは、「試合がめちゃくちゃ楽しかったです。チームメイトとパスがつながってシュートまでいけると、ゴールに入らなくても、そこまでつながったことが楽しかったです」と、笑顔で感想を語ってくれました。


最後に今回の車いすバスケットボール体験会の講師を務めてくれた橘さんにも感想をうかがいました。

「たくさんの方に参加してもらえてありがたい限りです。パラスポーツは以前より知ってもらえるようになったとはいえ、サポートが必要で、まだまだ体育館を借りるのが難しい部分もあります。こうしたイベントを通じてもっと理解してもらえるといいなと思います。こういう体験会では障害のある方もない方も一緒に楽しめますし、大人も子どもも一緒に楽しめるので、もっともっといろいろな方に参加してもらいたいです」

講師橘さん

今回の会場となった東京都パラスポーツトレーニングセンターでは、車いすバスケットボールだけでなく、さまざまなパラスポーツの体験会や教室などを開催しているので、ホームページをぜひチェックしてみてください。

東京都パラスポーツトレーニングセンター
https://tokyo-ptc.jp

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