パラスポーツスタートガイド

「できない」が「できた」に変わる。
その瞬間はいつも感動で心が震える。
障害がある方もない方も関係なく、
スポーツを楽しめる社会を目指して。

———日本でも数少ない障害者専用のスポーツ施設である「東京都障害者総合スポーツセンター」。このセンターには、気軽に体を動かしたい方、リハビリテーションをしたい方、仲間とスポーツを楽しみたい方、パラリンピックはじめとする国際大会に出場を目指す方等々、様々な障害がある方が訪れ、スポーツを楽しんだり、トレーニングに励んでいます。
このセンターで働き、障害のある方のスポーツ実施を支援している佐々木さんにお話を伺いました。

2022年3月31日公開

パラスポーツ支援に
携わるきっかけ

父が視覚障害の方の歩行訓練士をしていて、国立身体障害者リハビリテーションセンター(現:国立障害者リハビリテーションセンター)に務めていたんです。そこの職員宿舎で育ったので、障害のある方、ない方一緒に何かをすることは当たり前な環境でした。私は昔からスポーツが好きで、8歳の頃から選手を目指してテニスをプレーしていたんですが、ちょうど同時期に「車いすテニス」が日本に入ってきたので、職員宿舎前のコートで、休みのたびに、車椅子の方とテニスを楽しむような生活でした。高校生ぐらいの時、「たまには違う場所でテニスをしよう」と提案したら、「あそこのコートは、車椅子では使えないんだ」と聞かされて。そこで初めて、一般のスポーツとパラスポーツが違うことに気づかされたんです。その時に生じた「なんで違うの?」という違和感をきっかけに、誰もがスポーツを楽しめる社会をつくるために、私も何かできないかという想いで、この仕事を目指すことに決めました。

一人ひとりと向き合う大切さ

東京都障害者総合スポーツセンターで働き始めた新人の頃は、自分の伝えたいことを利用者の方にうまく伝えることができませんでした。利用者の方に教えていても、上手く伝えられず、利用者の方が上達しないまま練習時間が終わってしまい、落ち込むこともありました。自分の体験したことなら、言葉にしたり、動きで見せたりできるんですけど、未経験のスポーツは難しい。だから、思いつく限りの競技にチャレンジしました。また、言葉の受け取り方にはそれぞれ違いがあること。そして、障害のある方の受傷年齢や運動経験などの背景を理解することも大切です。一人ひとり、きちんと丁寧に話を伺ってアプローチしないと伝わらない。失敗しながら学んでいきました。

「できた!」瞬間の感動が
支援の原動力に

東京都障害者総合スポーツセンターにいらっしゃる方にとって、センターでの活動は、生活の一部分でしかありません。でも、そんな一部分だけでも、その方がスポーツに注いだ頑張りはすぐにわかるんです。前回よりも動きが良くなっていたり、できなかったことができるようになっていたり。だから、「できなかった」ことが「できた」瞬間に立ち合わせていただいた時は、本当に心震えるほど嬉しいです。周りにご家族の方がいると、まるで家族の一員になったかのように、一緒に喜んでしまいますね。キラキラした皆さんの表情を見ていると「これからも、この仕事を一生涯続けたい」と改めて実感します。

東京2020大会出場を目指す
パラアスリートと関わった
貴重な経験

平成27年度から令和元年度まで5年間、東京2020パラリンピック競技大会を始めとする国際大会出場を目指す東京都内の選手の発掘、育成強化を行う事業を担当しました。発掘関係のイベントにお越しになる方は、「本当にできるのかな」とその多くが不安そう。でもご案内し、体験していくうちに、「こんな競技もあったんだ」「意外とできるかも」と、表情が明るくなる。そうして自分に合った種目を見つけて、アスリートを目指して努力され、自分の花を大きく咲かせていく様子を何人も拝見してきました。本当に映画のように、それ以上にドラマチックなことが目の前で繰り広げられています。選手はもちろん、選手を支えるスタッフにもみなさん、熱い想いがあります。一人ひとりにスポットライトを当てている「東京アスリート認定制度※1」「東京パラスポーツスタッフ認定制度※2」のウェブサイトを見ていただけたらと思います。ぜひ、みなさんにおススメです。

※1:東京アスリート認定制度ウェブサイト
※2:東京パラスポーツスタッフ認定制度ウェブサイト

パラスポーツに
関わりたい方へ

初めの一歩は、誰だって勇気が必要です。スポーツに興味がある方は「できるかな」「周りに迷惑をかけないかな」と考えるでしょうし、サポートしてみたい方は「未経験でも大丈夫かな」「障害当事者でもいいのかな」と、色々迷われることもあるはず。そのような少しでも気になることがある方こそ、私達にご相談ください。東京都障害者総合スポーツセンター※3・東京都多摩障害者スポーツセンター※4では、みなさんの最初の一歩を応援するプログラムをたくさんご用意しています。スポーツに関するお悩みは、私達、障害者スポーツのエキスパートと一緒に考えていきましょう!いきなり、スポーツセンターに行くのはハードルが高いという方のためにも、オンラインでのご相談も受け付けています。スポーツを「する」「みる」「支える」一つでも当てはまる方、一緒にやりましょう!お待ちしてます。

※3:東京都障害者総合スポーツセンターウェブサイト
※4:東京都多摩障害者スポーツセンターウェブサイト