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ブラインドマラソン ブラインドマラソン

「伴走者のサポートがあり安心して参加できました」
R-1グランプリ優勝芸人の濱田祐太郎
ブラインドマラソンの練習会を体験

視覚に障害がある方でも、ロープで繋がった伴走者と一緒に伴走することで、ランニングを楽しむことができるのがブラインドマラソンです。日本では1983年に大阪で開催された第1回全日本盲人健康マラソン大会を契機に楽しむ人が増え、翌1984年には日本ブラインドマラソン協会(JBMA)が発足。以降、日々のランニングはもちろん、パラリンピックなどの競技会で活躍する世界的な選手も輩出しています。体験会もあちらこちらで行われていて、今回はJBMAが代々木公園で行っている定期練習会に、芸人の濱田祐太郎さんが参加しました。

普段まったく運動していないこともあり、不安でした

物心ついたときから右目は見えず、左目も次第に視力が低下し、中学生のころになると見えなくなり、現在は光の明暗が分かる程度だという濱田さん。高校からは特別支援学校に進学し、あんまマッサージ指圧師の資格などを取得し、同資格を活かして働いていました。ただ幼いころからお笑いが大好きで、「将来は舞台に立つ仕事がしたかった」と一転。吉本興業の養成所に入所し、その後はR-1グランプリ2018で優勝を果たすなど、夢を実現しています。

マラソンとの縁は、2019年にテレビ番組の企画で大阪マラソンに参加したことでした。フルマラソンは人生初どころか、ふだんまったく運動していない、という濱田さん。「練習も収録のためにしていただけ。完走してやろうという意気込みもなかったですね」。33km地点でタイムオーバー、リタイアという結果でした。

その後も運動は特にせず、今回の依頼も「あくまで仕事として受けました。ただ、あまりに動いていないと不安だったので、いつもより大股で歩こうかなと思ったんですが、結局、何もしなかったですね(笑)」と、濱田さん。初対面の方と一緒に走ることも不安だったと、胸の内を話してくれました。


ブラインドマラソン:1

仲間とのコミュニケーションが魅力

そんな不安を抱える濱田さんの伴走者を務めたのは、伴走者歴約10年の澤田さんです。27歳からマラソンを始め、フルマラソンを何度も完走。先日も70kmのウルトラマラソンに参加したばかりという猛者です。

ブラインドマラソンに参加するようになったのは10年ほど前からだそうで、「仕事以外でも社会に貢献したいと思いました」と、澤田さんは言います。実際に伴走者を務めると、「2人で一緒に走った方が記録を更新した際などには、自分が走っているときよりも感動するんです。コミュニケーションも楽しく、年齢を重ねるにつれ、ブラインドマラソンに興味がシフトしていきました」と、ブラインドマラソンの魅力を語ってくれました。

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伴走者の配慮やコミュニケーションで、次第に不安が解消

まずは、準備運動を行いました。ただ濱田さんからは、緊張と不安でいっぱいの様子がひしひしと伝わってきます。すると、「大阪マラソンはもう少しで完走でしたね」と、緊張を和らげようと澤田さんが気さくに話しかけます。

準備運動が終わっても、不安そうな表情は変わりませんでした。すると澤田さんが「まずはウォーキングから始めましょう」。芝生から舗装されている道に出る際には、「ここから段差です」と、積極的に声をかけていきます。このような声がけは、その後もずっと続きました。

澤田さんの声がけに、濱田さんも次第に応じるようになっていきます。すると、ギターが趣味だという濱田さん。バンドをしている澤田さんと、音楽の話題で意気投合するように。会話が盛り上がりにつれ、先ほどまでの不安な表情は次第に和らいでいき、いつしかウォーキングも、ランニングへと変わっていきました。

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「澤田さんが常にまわりの様子を声かけしてくれるので、次第に不安は小さくなっていきましたね。『ここからくだりが30m続きます』との声がけも、見通しが立つので気持ちが楽になりました」と、実際に不安が和らいでいったと濱田さんは言います。

この日は、NPO法人アキレス・インターナショナル・ジャパンとの合同開催だったこともあり、参加者は150名ほどいました。その多くが澤田さんが感じたように走ることはもちろん、会話も含めた伴走者や体験会に参加する他の仲間とのコミュニケーションを楽しみに参加される方が多いようでした。

実際、走る前の準備運動では、あちらこちらで仲間と談笑しながらストレッチをしている姿が見られました。走り終わった後、帰り際にランチを楽しむ参加者もいるそうです。

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運動も仲間との交流も、安心して参加できる場だと思います

適宜休憩も挟みながら、無理をしないゆったりとしたペースで軽く走ったり、ウォーキングを続ける濱田さん。当初は曇り空でしたが、次第に太陽が顔を見せ、代々木公園には木々も多く、木漏れ日の下を走る絶好のロケーションに。「街中とは異なり、やっぱり自然の中を走るのは気持ちいですね。風も心地よかったです」と、このころになると公園を訪れたときの不安はどこかに、ほっとした面持ちに変化しているように見えました。

体験会は無事終了。改めて感想を聞くと、「自分のように目に障害を持っているけれど走りたい方にとっては、伴走者がしっかりとサポートしてくれるので安心して走ることができる。仲間も多くできる場だと思います」。公園に来たときとは打って変わって、晴れ晴れとした表情で話してくれました。

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ブラインドマラソン体験会について

ブラインドマラソン体験会は、さまざまな団体やコミュニティが全国各地で開催しています。今回、濱田さんが参加したのはJBMAが月に一度、東京の代々木公園で開催している練習会です。事前予約などは特に必要なく、当日会場に行けば無料で参加できます。その際にランニングの経験がある人は自分の記録などを伝えることで、最適なパートナーと走ることができます。そのため早いペースで走っているペアがいる一方で、濱田さんのようにウォーキングしているペアもいるなど、それぞれが自分のペースで参加できます。遠くは茨城県から参加される方もいるなど、毎回50名ほどの方々が集まるそうです。その他の体験・練習会の概要やリンク先をまとめたページをご紹介しますので、興味がある方はご覧ください。

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参考:https://jbma.or.jp/banso_info/

プロフィール

プロフィール:濱田祐太郎

濱田祐太郎 (はまだゆうたろう)

吉本興業所属。先天性の視覚障害を持つ盲目の漫談家。独自の視点と自虐を交えた語り口で2018年のR-1グランプリでチャンピオンに輝いた。趣味はギターと大食い。

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